
皆さんは「10銭」という古い日本円をご存知でしょうか。
このお金は昔の日本で流通していたお金で、古銭買取の場で比較的よく査定に出されるポピュラーな古銭です。
10銭は初めて貨幣として登場してから廃止されるまで様々な種類が発行されてきました。
ここではその種類やそれぞれの買取価格をみていきましょう。
10銭の買取相場
結論から言うと、大半の10銭(貨幣・紙幣含む)は買取不可の判定をする古銭買取業者が多いと言えます。
ただし、10銭の中にはごく稀にプレミア品の判定をするところもあるようですが、これは古銭の価値ではなく骨董的な価値を下す場合もあるようです。
10銭の買取が難しい理由は当時大量に発行されたため希少性が見受けられないということや、銭単位のお金は既に通貨としての効力がなく、つまり何枚あっても1円にすらならないのです。
古銭買取を専門としている業者では難しい10銭ですが、どうしても売却したい場合はオークションを活用するのも良い方法かもしれません。
必ずしも売れる保証はありませんが、中には欲しがっているコレクターも存在しているようです。
10銭の種類と買取価格について
10銭には銀貨・硬貨に区分される貨幣と紙幣があり、この多くは古銭コレクターの中では広く知られている種類です。
10銭をはじめ、どんな種類があるのかみていきましょう。
旭日竜10銭銀貨
明治3年に発行された旭日竜10銭銀貨は銀8割・銅2割で構成され、近代貨幣の代表として有名です。
表面には竜の刻印と、裏面に旭を意味する太陽が描かれています。
10銭白銅貨
10銭白銅貨は戦争の影響で銀の価格が高騰したことを受け、銅が使われた貨幣です。
表面には菊と桐の紋章に10銭と刻印があり、中央に穴が空いてるのは偽造防止と材料の節約のためといわれています。
10銭ニッケル貨・10銭アルミ青銅貨
10銭ニッケル貨も他の貨幣同様に戦争の影響で材料が高騰したことを受け、ニッケルが使われた貨幣です。
その後さらに政局の悪化でさらに安いアルミ青銅貨へと変更されていきました。
この時代に発行された貨幣の多くは戦争(第一次世界大戦)の影響を大きく受け、人々の生活に大きく影響した時代でもありました。
この他にも「菊10銭アルミ貨」「稲10銭アルミ貨」などの貨幣が発行されています。
コレクターの間で過去に人気を博した10銭
古銭買取においては大半の10銭が買取不可の判定をされる可能性があるものの、ここで紹介する10銭は過去にコレクターの間で人気が出た10銭になります。
もし該当する10銭であるならば、価値を調べてみるのも良いかもしれません。
竜10銭銀貨
竜10銭銀貨は明治7年に発行され、表面に描かれた竜が特徴の銀貨です。
コレクターの中にはこの竜の刻印がはっきり出ているものや、使用されていない綺麗なもの、未使用品などは人気といわれています。
明治通宝10銭
明治通宝10銭は紙幣になりますが、当初はドイツで発行されたことから注目を集めました。
発行年数が古いことや紙幣のため状態が悪いものが目立ちますが、極端に状態の良い美品はコレクターに人気がありますが、古銭買取市場ではあまり見かけません。
八咫烏10銭銀貨
数多く発行された10銭の中でトップクラスの人気があるといわれる古銭です。
大正7年に発行されましたが、素材として使われていた銀の価格が安定しなかったことを受け、流通しなかったといわれる幻の10銭です。
古銭買取市場でほぼ目にすることはありませんが、もしお持ちの場合は高値が期待できる数少ない10銭といえるでしょう。
高値が付きやすい古銭買取について
古銭買取で高値が付く可能性がある条件はどういったことが挙げられるのでしょうか。
まず前提として発行枚数が少ないもの、また発行年数によっては極端に枚数が少ない場合もあり、年号を調べるのも良いでしょう。
10銭を古銭買取に出す時の注意
そして綺麗な状態であることが挙げられますが、綺麗な状態とは未使用品という意味で、間違ってもご自身でクリーニングをするのはやめましょう。
クリーニングしてしまうと場合によっては手を加えたということで買取価値の低下や買取不可の判定を下される場合もありますので注意しましょう。