
国内で販売された記念硬貨はたくさんありますが、中でも注目を集めているのが「天皇即位記念硬貨」です。
記念コイン収集家はもちろん、一般の方からも需要があるため、買取業者で高額買取しているコインの代表と言えます。
天皇即位記念硬貨の基本情報や、買取相場、高く売るコツなどをご紹介します。
「天皇即位記念硬貨」とは?

天皇即位記念硬貨は、1990年4月10日、平成に現在の上皇明仁陛下が今上天皇として即位したことを記念して、日本造幣局より発行されました。
発行枚数は200万枚で、その内の190万枚は純金の天皇即位記念10万円金貨のみ、残り10万枚は天皇即位記念10万円金貨と天皇即位記念500円白銅貨のセットです。
なお、天皇即位記念白銅貨は1990年11月8日にも単独で3000万枚発行されているため、10万円金貨よりも発行枚数がかなり多めです。
このように天皇即位記念硬貨には「天皇即位記念金貨」と「天皇即位記念白銅貨」の2種類があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
天皇即位記念金貨の特徴
天皇即位記念金貨は、直径33mm、重量30g、K24の純金でできた額面10万円の記念硬貨です。
表面には鳳凰と瑞雲が、裏面には菊の紋章と桐と唐草模様が描かれています。
天皇即位記念金貨は「平成天皇即位記念金貨」や「今上天皇即位記念金貨」などと呼ばれることもあります。
天皇即位記念白銅貨の特徴
天皇即位記念白銅貨は、直径33mm、重量13g、銅750とニッケル250が使用された額面500円の記念硬貨です。
表面には特別御料儀装車(パレードなどに使われた皇室の御車)が、裏面には菊の紋章と束帯の模様が描かれています。
法律で守られている天皇即位記念金貨
金の価値が高い天皇即位記念金貨は、傷をつけたり、あるいは溶かしたりすることを禁止する「貨幣損傷等取締法」という法律で守られています。
そのため、天皇即位記念金貨を溶かし、金として利用することはできません。
さらに、偽造を防止する対策もとしてシークレットマークが施されており、悪用されないように守られています。
銀行で換金できる?買取業者を利用するときの注意点は?

天皇即位記念金貨は額面が10万円なので「10万円分の現金として使用できる」と思っている方もいるかもしれませんが、そのままでは使えません。
銀行や郵便局などの金融機関で換金する方法か、買取業者に売却して現金化する方法か、どちらかを用いて使えるようになります。
銀行で換金する場合の手数料は無料で、必要書類に記入し、窓口に提出すれば簡単に換金できます。
ただし金融機関によっては、記念硬貨の取り扱いがない可能性もあるため、ウェブサイトや電話などで事前に確認したほうが確実です。
また、金融機関で換金する場合は、基本的に額面通りとなります。
記念硬貨を取り扱っている買取業者に売る場合は、事前に金のレート価格の動きをチェックすると良いでしょう。
金はg単位での価格が毎日変わるため、高値の日もあれば安値の日もあります。
高値になったときに複数の買取業者へ問い合わせをし、一番高値の買取価格を提示してくれたところを選ぶのが賢明です。
また、開封済みで汚れが付着した記念硬貨は「買取不可」とする買取業者もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
天皇即位記念金貨をより高く売る方法とコツは?

最後に、天皇即位記念金貨を高く売る方法やコツについて紹介していきます。
記念金貨としての価値の他に、本体の状態も評価ポイントとなるため、購入後の保管方法も査定価格を左右する大きいポイントになります。
買取業者へ査定に出す前に、参考にしてみてください。
保存状態で査定基準が変わることを知っておく
記念硬貨をはじめとする貨幣は、保存状態に応じて「完未」「未使用」「美品」「並品」とグレード別に分けて査定することが一般的です。
グレード別の名称 | グレード別の状態 |
---|---|
完未 | 完全未使用品の略語で、未開封かつ付属品があり、製造時の状態を保っているもの |
未使用 | 未開封でもケースに汚れがある状態や、開封済みでも綺麗な状態であるもの |
美品 | 開封済みで小さな傷や汚れがあるが、比較的良好な状態が保たれているもの |
並品 | 傷や汚れがひどいもの |
並品などのあまりにも劣化が目立つものは状態によっては買取不可とされることもあるので気をつけましょう。
開封しないこと
天皇即位記念金貨に限ったことではありませんが、記念硬貨は「開封しないこと」が価値を下げないコツです。
開封しただけで価値が下がることが多いため、なるべく開封せずに購入したままの状態にしておき、ケースにも指紋や汚れが付かないようにしましょう。
磨かないこと

開封してしまった場合、年月とともに汚れやサビが付くことがあります。
しかし無理に綺麗にしようと磨いてしまうと金貨に傷をつけてしまうことがあるので、なるべく手を加えずに、早めに査定してもらうことが高額査定につながります。
貨幣を長期間放置していると、経年劣化や汚れがひどくなる可能性があるため注意しましょう。
付属品を残すこと
記念硬貨には説明書・鑑定書・ケースなどが付いてくることが一般的です。
これらの付属品を一式揃えて保管しておき、本体とともに買取業者へ査定に出すと、高額査定してもらえる可能性が高まります。
もしも付属品を揃えられなかった場合は、安値の査定となる可能性がありますが、付属品がなくても査定してくれるかどうか買取業者に相談してみましょう。
保管時は光と湿気に注意すること
硬貨を保管する場合は、引き出しや棚に入れていても問題はありませんが、日光と湿気に気をつけましょう。
なるべく湿気がない冷暗所で保管したほうが劣化を防げます。
未開封のものはそのまま冷暗所に保管し、開封済みのものは空気に触れないようコインケースなどに入れて冷暗所保管するのがおすすめです。
金の相場をチェックしておくこと

金貨の場合、「金価格×重さ(g)」で買取価格が計算されるケースが多いです。
天皇即位記念金貨には30gの金が使われているため、相場をチェックしておくと査定価格をある程度予想可能です。
たとえば、金の価格が1g=4,500円だった場合、4,500円×30g=135,000円という計算になります。
このように金の価値に応じて、天皇即位記念金貨の買取価格も変わっていきます。
簡単に比較できるメール査定を利用してみる
記念硬貨の買取業者の中には、インターネットで「メール査定」をしてくれるところがあります。
手持ちの天皇即位記念金貨の写真を添付し、業者へ「メール送信するだけで査定してもらえる手軽で便利なサービスです。
このサービスを行っている業者を複数選んでメール査定してもらえば、簡単に査定額を比較できます。
最も高く買取してくれる業者を選ぶ際に便利です。