西洋美術を売るなら専門の買取業者へ!高く売るためのコツをご紹介

自宅の壁や棚の上などに美術品が1つあるだけで、部屋の中がパッと明るい雰囲気になることがあります。
中でも西洋美術はその美しさと、西洋の歴史のダイナミズムを感じられることから人気を集めています。
骨董品買取市場でも活発に取引される西洋美術ですが、西洋美術品を手放すことになったとき、どこに買取に出せば良いのでしょうか。
また、買取相場はどれくらいになるでしょうか。
西洋美術品の種類や買取相場、西洋美術品を買取に出す際の注意点などをご紹介します。
目次
西洋美術品とは

西洋美術とは、古代からヨーロッパに伝わる美術様式に基づいて作られた作品の総称です。
西洋美術には、ルネサンス美術・バロック美術・写実主義・印象派・シュルレアリスムなどさまざまな表現様式があります。
これらは革命や戦争といった時代の流れとともに生まれ、それぞれに代表的な作家が誕生しました。
西洋美術品にはどんなジャンルがある?
西洋美術品の人気ジャンルとしては、絵画・彫刻・磁器人形・洋食器・家具・ガラス工芸・ランプ・オルゴールなどがあります。
中でも100年以上前に制作されたものは、希少性の高い西洋アンティークとして人気です。
西洋アンティークの代表例としては、エミール・ガレやルネ・ラリックなどのガラス工芸、マイセンなどの磁器人形・洋食器といったものがあります。
西洋美術の中でも価値の高いものが多い絵画
西洋美術の代表的ジャンルである絵画には、パブロ・ピカソ、フィンセント・ファン・ゴッホ、レオナルド・ダ・ヴィンチなどの世界的巨匠がいます。
ただし、こういった世界的巨匠の作品は買取市場に出回ることはほとんどなく、サザビーズ(世界最古の国際競売会社)などのアートオークションで数億円といった価格で落札されることも珍しくありません。
2017年には、ニューヨークのクリスティーズ・オークションでレオナルド・ダ・ヴィンチの油彩画『サルバトール・ムンディ』が約4億5000万ドル(当時のレートで約508億円)で落札されたとして話題になりました。
『サルバトール・ムンディ』のような博物館レベルの西洋アンティークは別格としても、気に入った西洋美術品を集めることを趣味とする西洋美術コレクターは数多く存在します。
もしお持ちの西洋美術品がコレクターにとって需要の高いものであったら、高く買取してもらえるかもしれません。
西洋美術品の買取相場はどれくらい?

西洋美術は古い時代のもの(西洋アンティーク)から現代の作品まで制作された時代も様々で、絵画から洋食器、オルゴールもあるなどジャンルも多岐にわたります。
そのため、買取相場の幅もかなり広くなっています。
ここでは西洋アンティークのジャンルごとに、買取市場に出回る中で最も高いクラスの作品の買取相場について表にまとめました。
あくまで参考程度ではありますが、ご参照ください。
作品のジャンル | 代表作家・ブランド | 買取相場 |
---|---|---|
絵画 | マルク・シャガールなど | ~2000万円前後 |
彫刻 | モロー兄弟など | ~20万円前後 |
磁器人形(フィギュリン) | リヤドロなど | ~10万円前後 |
ビスクドール | ジュモーなど | ~500万円前後 |
洋食器 | バカラなど | ~100万前後 |
ガラス工芸 | エミール・ガレなど | ~500万円前後 |
オルゴール | リュージュなど | ~100万円前後 |
花瓶 | マイセンなど | ~20万前後 |
※上記の相場表は、あくまで目安です。あくまで各ジャンルの中でもっとも人気のある作品の相場を記載しております。美術品の状態によってはお値段が付かない場合もございます。
※査定させて頂く美術品などの状態次第では、買取相場は上記に比べて大きく変動しますのでご了承ください。
※美術品に汚れや傷などがある場合には、額面を下回る買取価格となる場合もございます。
※弊社基準により一部の美術品は査定対象外となります。
作品のジャンルによって買取相場には幅があり、特に絵画は高い買取相場になる可能性を秘めているようです。
磁器人形では、より精巧なビスクドールに高い買取相場がつきやすいでしょう。
高価買取が期待できるブランド一覧

上記の買取相場表に載っているもののほかにも、高く買取してもらえる可能性のあるブランド・作家は多数存在します。
上記の買取相場表に載っているもの以外で、高価買取が期待できる代表的なブランド・作家は以下の表をご参照ください。
アウガルデン | アリスティド・マイヨール | エルテ |
カポディモンテ | シュタイフ | スージークーパー |
スチューベン | セーブル | デルフト |
ドーム兄弟 | フッチェンロイター | ヘレンド |
ボヘミヤ | マイセンクリスタル | ミントン |
ムラーノ | モーゼル | ラリック |
リチャードジノリ | ロイヤルアルバート | ロイヤルウースター |
ロイヤルクラウンダービー | ロイヤルコペンハーゲン | ロイヤルドルトン |
ローゼンタール | KPM(ベルリン王立陶磁器製作所) |
お持ちの西洋美術品がこれらのブランド・作家の作品である場合、高く買取してもらえる可能性があるでしょう。
まずは試しに、美術品専門の買取業者に査定だけでも依頼してみると良いかもしれません。
西洋美術品は専門買取業者で売ろう

西洋アンティークを買取に出す際には、どのような買取業者を利用すれば良いでしょうか。
多くの美術品は質屋で現金化することができるでしょうし、食器や花瓶などは総合リサイクルショップでも買取対象になるでしょう。
しかしながら、西洋美術作品を買取に出すなら、美術品専門の買取業者を利用することをおすすめします。
西洋アンティークを適切に査定するためには、以下のような査定ポイントを正しく見極められなければなりません。
・作家名と作品名
・図柄
・技法
・制作年代
・サイズや形状
・作品の完成度
・保存状態の良し悪し
・付属品の有無
・希少性の有無
・人気度
・買取業者独自の判定基準を満たすか
これだけの査定ポイントを正確に見るためには、高い専門知識と査定技術が必要です。
リサイクルショップや質屋など、美術品を専門としない業者では、西洋美術に関する専門性を持った鑑定士が店舗にいるとは限りません。
お持ちの西洋美術品の適正な価値を見極めて貰えず、思わぬ損をしてしまう可能性があります。
美術品専門の買取業者であれば西洋美術に精通した査定員が在籍しているはずです。
大切な西洋美術品を安心して買取に出したいなら、美術品専門の買取業者がベストな選択肢であると言えるでしょう。
なお、西洋アンティークの査定では、査定員は「どのようにして作品を手に入れたか」「いくらで買ったのか」などの情報をヒアリングして、作品の価値を見極める参考にします。
手に入れたいきさつを証明する保証書やカタログがあれば、お持ちの西洋美術品・西洋アンティークが価値あるものであることを証明する助けになるでしょう。
作品の情報が分かる資料がある場合には、査定時に提示できるように準備しておきましょう。
西洋美術品を売るなら出張買取を利用する

買取業者が提供する買取サービスには大きく分けて、利用者が店頭まで品物を持ち込む「持ち込み買取」、利用者が品物を梱包して買取業者に送付する「宅配買取」、買取業者の査定員が利用者の自宅等まで来て査定・買取してくれる「出張買取」という3つの買取方法があります。
このうち、西洋美術品を買取に出す際におすすめしたいのが出張買取です。
持ち込み買取や宅配買取では、お持ちの美術品を持ち運び、または梱包・発送する手間がかかります。
また、絵画をはじめ、西洋美術品には繊細な取り扱いを要するものが多いです。
持ち運びの際、あるいは配送の際に絵画などに傷がつく、食器・ガラス工芸・ビスクドールなどが欠けてしまうといったリスクもゼロではありません。
その点、出張買取であれば利用者の自宅で査定・買取してくれますから、美術品を持ち運ぶ必要もなければ梱包・発送する必要もありません。
西洋アンティークを買取に出すには最適な買取方法であると言えるでしょう。
他にも、出張買取には以下のような特徴があります。
・当日に査定してもらいたい品物を追加可能
・査定金額に納得がいけばその場で現金で支払ってくれることが多い
・出張費や査定料といった手数料が無料の業者も多い
西洋美術品を高く買取してもらうためのポイントとは

本来は価値の高い西洋美術品であっても、査定時の状態によっては買取価格を下げてしまう場合があります。
反対に言えば、高く買取してもらうためのポイントを押さえておけば、少しでも高い買取価格をつけてもらえる可能性があります。
西洋美術品をより高く買取してもらうためには、以下のようなポイントに注意してあげると良いでしょう。
・付属品を揃えておく
・作品をきれいな状態で保存しておく
・作家のサインは忘れず提示する
・保存状態が悪くても修復しないで査定に出す
付属品を揃えておく
西洋アンティークを購入すると、例えば絵画なら箱・額縁・保証書といったように、付属品がついてくることが多いです。
これらの付属品は、美術品コレクターにとって重要なコレクションの一部です。
買取業者が再販するときにも付属品が揃っている物の方が需要が高くなるため、付属品が揃っている西洋アンティークは高く買取してもらいやすい傾向があります。
西洋アンティークの買取の際には、購入時の付属品を作品と一緒に査定に出すようにしましょう。
箱が汚れていたり破れていたりする場合でも、箱がついている方が高く買取してもらえるケースはあります。
汚れや破れがあっても捨ててしまうことなく、一緒に査定に出すのがおすすめです。
作品をきれいな状態で保存しておく
西洋美術品の買取に際して、買取価格を大きく左右する要素の1つが作品の保存状態です。
本来は価値ある作品であったとしても、絵画にカビが発生している、ガラス工芸品に欠けがあるなど保存状態が良くないと買取価格は下がってしまう恐れがあります。
反対に、西洋アンティークには完成してから数百年といった長い年月が経っているものも多いですから、古い作品で保存状態が良ければ希少価値は増すでしょう。
絵画とガラス工芸を例に挙げて、保存状態を良く保つための注意点をご紹介します。
絵画
絵画の保存状態を良く保つために注意したいのが、湿気と直射日光です。
湿気の多い場所に絵画を長く保管していると、シミ・カビ・紙の伸び縮みなどの損傷が出てしまう場合があります。
また、絵画は日光に当たり続けるとヤケを起こして変色してしまう場合があります。
絵画を飾るとき、または保管するときには、直射日光が当たらない風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。
飾っていてほこりがついた場合には、額縁は柔らかくて乾いた布で、アクリルは少し湿らせた柔らかな布で優しく拭き取ってあげるようにしてください。
ガラス工芸
エミール・ガレ、ラリック、ドーム兄弟などのガラス工芸品の保存状態に関しては、傷の有無が大きなポイントです。
汚れを落とす際には傷がつかないように、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗って、マイクロファイバーやクリスタルクロスで水滴を拭うようにしましょう。
研磨剤入りの洗剤や、アルミ・ナイロン製のタワシはグラスを傷つけてしまう恐れがあるので使わないほうが無難です。
また、保管時には他の食器などと当たって傷がつくことのないように注意しましょう。
作家のサインは忘れず提示する
西洋アンティークには作家のサインが書いてある作品も多いです。
また、版画作品にはサインの他に「1/100」といったような形でシリアルナンバーが書いてあることが多いです。
こういったサインやシリアルナンバーは価値ある美術品であることを証明する助けになるので、忘れずに査定員に見てもらうようにしましょう。
サインは作品の隅に書かれていることが多いですが、額縁や箱などの付属品に書かれている場合もあります。
付属品に書かれている場合も忘れることなく、作品と一緒に査定員に提示するようにしましょう。
保存状態が悪くても修復しないで査定に出す
保存状態が良いほうが高く買取してもらいやすいという傾向は確かにあるのですが、査定前に西洋美術品のヒビ・欠けや破損などを修復しようとするのはおすすめできません。
まず、損傷した作品を自力で修復しようとすると、かえって作品を損ねてしまって修復前よりも買取価格を下げてしまう恐れがあります。
修復の専門業者に依頼しても、修復による買取価格のアップ分では高額な修理費用を賄えない可能性があります。
査定前の手入れは目立つ汚れを拭き取る程度に留めておいて、今以上に保存状態を悪化させることのないようにしましょう。
買取業者の上手な選び方

西洋美術品の買取なら美術品専門の買取業者を、また、出張買取を利用するのがおすすめでした。
とはいえ、「出張買取を行っていて美術品専門」と言ってもまだまだ該当する買取業者は数多くあります。
その中から実際に査定を依頼する買取業者は、どのように選べば良いでしょうか。
買取業者を選ぶ基準として代表的な4つのポイントをご紹介します。
手数料がすべて無料
買取サービスにおいて発生しうる手数料として、出張買取の出張費、査定料、キャンセル料などがあります。
西洋アンティークを売って買取金額を得たとしても、出張費や査定料がかかったのでは実質的には目減りしてしまいます。
また、お持ちの美術品の価値を知るために「試しに査定に出してみたい」という時にいちいち査定料やキャンセル料がかかっていては、気軽に査定を依頼することもできません。
お持ちの西洋アンティークを安心して買取に出すためにも、買取に関わる手数料を無料にしている買取業者を選ぶのがおすすめです。
買取実績が豊富
ひとくちに西洋美術と言っても、絵画から食器、人形、オルゴールなど、ジャンルの幅は広いです。
買取業者によって、あるいは査定員によってジャンルごとの得意不得意があることは珍しくありません。
買取実績が豊富な買取業者なら、各ジャンルとも豊富な買取経験があるでしょうから、ジャンルごとにそれぞれ精通した査定員が在籍しているはずです。
利用者の売りたい美術品に関する豊富な専門知識と査定経験を持った査定員が、適正な価値を見極めてくれるでしょう。
また、西洋美術の買取実績が豊富だということは、買取後の美術品の販路も数多く持っているはずです。
その中から最も高く売ることができる販路を選ぶことができるので、その分買取価格も高く設定しやすいでしょう。
スタッフの受け答えが明確
西洋美術を含む美術品の買取相場は、一般の人には分かりにくいところがあります。
査定員がこうと言えば、利用者はそれに反論する材料を持たないというケースも多いでしょう。
それゆえ何よりも、買取業者を選ぶ時には安心感を大切にすべきだと考えられます。
買取にまつわるあらゆる質問に明確に答えてくれる買取業者であれば、やはり安心して利用できるでしょう。
一方、スタッフの受け答えが曖昧では不安が残ります。
場合によっては、不当な安値で強引に買取する「押し買い」などを行う悪徳業者の可能性さえあります。
買取業者選びは安心を大切にし、スタッフの受け答えが曖昧であるなど不安が残る場合には、思い切ってキャンセルするのも重要な防衛策です。
全国を出張対象地域としている
出張買取を行っている買取業者がおすすめなのですが、中でも日本全国を出張買取の対象地域としているような大手買取業者は特におすすめです。
全国で出張買取を行えるということは、それだけ多くの人に利用されているということにもなりますし、それだけ豊富な査定員などの人材が在籍しているということでもあります。
多くの人から選ばれているというのは、査定依頼をするうえで、やはり大きな安心材料になります。
また地方にお住まいの場合、東京などに比べて選べる買取業者の数は少ないかもしれませんが、全国で出張買取を行っている買取業者なら安心して利用することができるでしょう。
西洋美術品の買取でよくある質問:Q&A

西洋美術品・西洋アンティークは査定内容なども複雑で、初めて利用する人にとっては買取についての疑問がいくつも出てくるかもしれません。
ここでは、西洋美術の買取について多くの人が持つ疑問をご紹介し、それについて解説します。
そもそも「美術品」かどうか分からない品物でも買取に出せますか?
そもそも「美術品」とは定義しがたいものであり、例えば美術品としての食器と、実用品としての食器に明確な線引きはありません。
「誰かがその品物の美しさに対して金銭を出すかどうか」、つまり需要の有無によってしか判断できないところがあります。
ある人にとっては「美術品かどうか分からないもの」が、別の人にとっては「価値ある美術品」である可能性はあります。
美術品と呼べるかどうか分からなくても、まずは試しに美術品専門の買取業者に査定を依頼してみることをおすすめします。
作家や制作年代が分からない作品でも査定してもらえますか?
西洋美術品を購入した場合には保証書などがついている場合も多いですが、知人から譲り受けた美術品の作者や制作年代がはっきりしないというのはよくあるケースです。
そういう時にこそ、お持ちの美術品の価値を知るためにも、まずは美術品専門の買取業者に査定を依頼してみましょう。
西洋美術に関する高い専門性を持った査定員が、作者のサインや作風など吟味して、作家や制作年代を見極めてくれるでしょう。
査定料やキャンセル料といった手数料が無料の買取業者も多くありますから、試しに査定に出してみて損はありません。
本物か贋作か分からない作品でも査定してもらえますか?
西洋美術を含む美術品の買取において、本物か贋作かは買取価格にも直結する重要事項です。
しかしながら、贋作の可能性があるからと言って、買取業者が査定を断ることはまずありません。
むしろ、それを見極めるのが査定員の仕事でさえあります。
また、贋作だからと言って買取価格がつかないというわけではありません。
美術品コレクターの中には、出来の良い作品であれば、贋作であっても購入したいという人も少なくありません。
本物か贋作か分からない時こそ、それを見極める意味でも美術品専門の買取業者に査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
一部が壊れている美術品は自分で修復しておいた方が良いでしょうか?
保存状態が良いほうが高く買取してもらいやすいという傾向は確かにあるのですが、作品のヒビ・欠け・破損などを自分で修復しようとするのはおすすめできません。
美術品の修復は、それだけで専門の職業が成立するほど難しい仕事です。
2012年、スペインの教会で80代の女性がイエス・キリストの肖像画(壁画)を勝手に修復し、全くの別物になってしまったというニュースを覚えている人も多いのではないでしょうか。
美術品が一部壊れているからといって自分で修復すると、かえって作品を損ねてしまい、修復前よりも買取価格を下げてしまう恐れがあります。
一部壊れていても自分では修復せず、そのままの状態で一度美術品専門の買取業者に査定に出してみることをおすすめします。
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