花瓶の買取なら専門の買取業者へ!買取相場と買取のコツをご紹介

テーブルや窓際の棚などに花を飾ることで、部屋の雰囲気がパッと明るくなったという経験をお持ちの人は多いのではないのでしょうか。
その時、花の雰囲気を最大限に引き出すことによって、あるいはそれ自体も美術品として大きな役割を果たすのが、花瓶です。
骨董品買取市場でも人気の高い花瓶ですが、持っている花瓶を買取に出したいと考えたときには、どこに買取に出せば良いのでしょうか。
また、買取相場はどれくらいになるでしょうか。
花瓶の買取相場や高く買取してもらいやすい花瓶の特徴、花瓶を買取に出す際に注意したいポイントなどをご紹介します。
花瓶の歴史

花瓶が、いつから使われるようになったかという点について、はっきりしたことは分かっていません。
しかしながら、日本に花瓶が広まったのには仏教の影響があるとされています。
花瓶(花立)は、香炉(香料を加熱して香気を発散ための器)・燭台とならんで仏教の三具足(みつぐそく:仏の供養に欠かせない3つの仏具)の1つに数えられます。
仏教が広まり、寺だけでなく家庭でも仏壇などを置いて仏を供養するようになったことで、花瓶が広まったのではないかと言われています。
それが室町時代ごろ、座敷飾りとして花を生ける文化に発展しました。
日本の伝統文化である茶道においては花瓶を「花入れ」と呼び、茶室を彩ったり茶席に華やかさを持たせたりする意味合いで用いられています。
高く買取されやすい花瓶とはどんなもの?

花瓶は素材が陶磁器・ガラス・金属など多岐にわたり、大きさも様々です。
骨董品買取市場に目を向けても、花瓶は活発に取引される人気の骨董品の1つですが、ものによって価値の幅が大きいです。
では、骨董品買取市場において高く買取されやすい花瓶とはどのようなものなのでしょうか。
以下のような特徴の花瓶は、骨董品買取市場で高い価値がつく可能性があります。
・有名ブランドの花瓶
・有名作家が手掛けた花瓶
・アンティークの花瓶
・保存状態が良い花瓶
・付属品が揃っている花瓶
有名ブランドの花瓶
花瓶の有名ブランドには、ガラス工芸ならバカラやティファニー、陶磁器ならマイセンやウェッジウッドなどがあります。
これら有名ブランドの花瓶は骨董品買取市場での人気が特に高く、買取相場も高くなりやすいです。
高級食器ブランドとして有名なマイセン窯ですが、テーブルウェア以外に花瓶も取り扱っており、骨董品買取市場でも数多く取引されています。
マイセンの食器でも人気の、『千夜一夜物語』の登場人物を描いた「アラビアンナイトシリーズ」は花瓶でも人気が高く、高い買取価格がつきやすいです。
ただし、マイセンの花瓶には制作年代を問わず偽物が多く、中には完成度の高い模倣品もあります。
素人では本物かどうかの判断が難しいため、買取を考えているマイセンの花瓶があるなら、まずは試しに骨董品専門の買取業者に査定を依頼してみましょう。
有名作家が手掛けた花瓶
花瓶を手掛けた有名な作家は、日本・ヨーロッパにそれぞれいます。
ヨーロッパでは、アールヌーヴォー(植物をモチーフにした流れるような曲線を用いた作品)を代表するガラス工芸家のエミール・ガレやドーム兄弟が有名です。
日本で有名な作家には、有田焼の大名跡・酒井田柿右衛門(さかいだかきえもん)や、備前焼の人間国宝・金重陶陽(かねしげとうよう)などがいます。
いずれの花瓶も、骨董品買取市場で高い人気を誇ります。
また、染付(陶磁器の一種)の人間国宝・近藤悠三(こんどうゆうぞう)も花瓶を多く作っており、花瓶の買取相場が高くなりやすい作家の1人です。
アンティーク品として希少価値があるエミール・ガレの花瓶
エミール・ガレは単に花瓶の作家というだけでなく、西洋アンティークのガラス工芸作家として非常に有名です。
エミール・ガレは1846年にフランスのロレーヌ地方で、鏡ガラス工場を経営する家庭に生まれました。
そして1889年のパリ万国博覧会に出品したガラスや陶磁器の作品でグランプリを受賞したことにより、ガラス工芸作家として確たる地位を築きました。
エミール・ガレの作品の価値は、ガレが亡くなる1904年まで稼働していた第1期工房の作品か、その後に設立された第2期工房・第3期工房の作品かによって価値が異なってきます。
初期に作られた作品、および工房が廃業する1931年頃の作品は希少価値が高いとされ、骨董品買取市場でも高値で取引されやすい傾向にあります。
アンティーク品の花瓶
古い時代に作られたアンティーク品の花瓶にも、高く買取されるものは多いです。
アンティーク品とは、およそ100年以上前に制作された骨董品のことです。
骨董品買取市場で出会うアンティーク品の花瓶としては、マイセンの古い花瓶、エミール・ガレの初期作品、日本の江戸時代の陶磁器の花瓶、中国や韓国の古い陶磁器の花瓶などがあります。
古い時代のものであるため、良い状態で保存されているものは特に希少性があり、高い価値を認められることが多いです。
保存状態が良い花瓶
花瓶の買取において、花瓶の保存状態は買取価格を大きく左右する要素の1つです。
本来は価値の高い花瓶であったとしても、割れやヒビがある、デザインに欠損があるなどすると、買取価格は大きく下がってしまう恐れがあります。
反対に、保存状態の良い花瓶は骨董品買取市場における需要が高くなるので、高い価格で買取してもらえる可能性は上がるでしょう。
花瓶の素材は陶磁器やガラスなど、割れやすい性質のものが多いです。
花瓶を保管する際には買った時の共箱(作品を入れるための箱)に入れるなどして、倒して割ってしまったり、骨董品同士がぶつかって傷をつけてしまったりすることのないようにしましょう。
付属品が揃っている花瓶
花瓶を購入した時には、共箱や保証書などの付属品がついてくることが多いです。
これらの付属品は買取の際にも大きな役割を果たします。
共箱は骨董品コレクターにとってはコレクションの一部として重要ですし、作者のサインや花押が入っていることもあるため、本物の作家物の作品であることを証明するのにも役立ちます。
保証書も、当該作家やブランドの真作であることや、制作年代などを証明する助けになります。
これらの保証書があることで、買取業者としては買取後の再販がしやすくなるため、高い買取価格をつけることができます。
花瓶の買取相場はどれくらい?

骨董品買取市場における花瓶の買取相場はどれくらいになるでしょうか。
有名ブランドや有名作家の花瓶について、おおよその買取相場をまとめました。
表をご参照ください。
ブランド・作家名 | 作品のジャンル | 買取相場 |
---|---|---|
バカラ | ガラス工芸 | ~10万円前後 |
ティファニー | ガラス工芸・陶磁器 | ~10万円前後 |
ウェッジウッド | 陶磁器 | ~5000円前後 |
マイセン | 陶磁器 | ~20万円前後 |
エミール・ガレ | ガラス工芸 | ~500万円前後 |
ドーム兄弟 | ガラス工芸 | ~500万円前後 |
酒井田柿右衛門 | 陶磁器(有田焼) | ~100万円前後 |
金重陶陽 | 陶磁器(備前焼) | ~50万円前後 |
近藤悠三 | 陶磁器(染付) | ~50万円前後 |
※上記の相場表は、あくまで目安です。あくまで作家の中でもっとも人気のある作品の相場を記載しております。花瓶の状態によってはお値段が付かない場合もございます。
※査定させて頂く花瓶などの状態次第では、買取相場は上記に比べて大きく変動しますのでご了承ください。
※花瓶に汚れや傷などがある場合には、額面を下回る買取価格となる場合もございます。
※弊社基準により一部の花瓶は査定対象外となります。
ヨーロッパではエミール・ガレやドーム兄弟、日本では酒井田柿右衛門・金重陶陽・近藤悠三といった人気作家の作品の場合、特に買取相場が高くなりやすいようです。
一例ですが、中里太郎右衛門(なかざとたろうえもん)の花瓶作品に20万円、和田守卑良(わだもりひろ)に25万円、三代目徳田八十吉(とくだやそきち)に23万円もの価格で取引された実例が確認されています。
ただし、酒井田柿右衛門は400年以上続く名跡のため作風や出来の良さにばらつきがあり、それによって買取相場にも幅が出やすい作家です。
花瓶を高く買取してもらうためのポイントとは

有名ブランドや作家物など、本来高い価値があるはずの花瓶でも、査定時の花瓶の状況によっては買取価格が下がってしまう可能性があります。
そのような状況にならないように、高く買取してもらうためのポイントを予め押さえておきましょう。
花瓶をより高く買取してもらうためのポイントとして、代表的なものは以下の5つです。
・花瓶の保存状態が悪くても修復はしない
・なるべく早いタイミングで買取に出す
・箱などの付属品を揃えておく
・骨董品専門の買取業者を利用する
・出張買取サービスを利用する
花瓶の保存状態が悪くても修復はしない
花瓶は保存状態が良いものの方が高く買取してもらいやすい傾向があります。
割れ・欠け・ヒビ・擦り傷・柄や装飾の剥げ・シミ・変色があるなど保存状態が良くないと、買取価格は下がってしまう恐れがあります。
とはいえ、花瓶を自分で修復しようとするのはおすすめできません。
花瓶を含む骨董品の修復は、それだけで専門の職業が成立するほど難しい仕事です。
花瓶を自分で修復しようとすると、直した跡がついてしまうなど、かえって作品を損ねてしまう場合があります。
修復前よりも価値が下がってしまう結果にもなりかねないのです。
花瓶の保存状態が悪くても、修復はせずにそのまま査定に出すことをおすすめします。
なるべく早いタイミングで買取に出す
花瓶の買取において、買取価格に対する保存状態の影響は大きいです。
長く保管していると、例えば陶器の花瓶なら湿気などの影響により、経年劣化してしまうことがあります。
さらに、花瓶は割れやすい素材のものが多いですから、地震などの拍子に割れたりヒビが入ったりする可能性もゼロではありません。
また、ブランドの花瓶は、新作の方が骨董品買取市場における需要が高く、発売から時間が経ったものほど需要が少なくなりやすい傾向があります。
売却を検討している花瓶があるなら、保存状態が良いうちに、あるいはトレンドが去らないうちに、なるべく早いタイミングで買取に出すことをおすすめします。
箱などの付属品を揃えておく
ブランドの花瓶や作家物の花瓶を購入すると、共箱・保証書・小冊子などの付属品がついてくることが多いです。
共箱や保証書には作家やブランドのプロフィール、作品名、制作時期、時代背景などの情報が入っており、査定員が作品の価値を判断するのに役立ちます。
例えば日本の作家物なら、木の共箱に作者のサインや花押が入っているのを見たことがある人も多いでしょう。
付属品が全て揃っていると骨董品買取市場での需要が高くなり、買取業者としても再販しやすくなるため、買取価格が高くなりやすい傾向があります。
とはいえ、付属品が無ければ買取してもらえないというわけではありませんし、希少価値の高い花瓶なら付属品が無くても高い買取価格がつく可能性はあります。
付属品が無いからと諦めてしまわずに、骨董品専門の買取業者に査定に出してみましょう。
骨董品専門の買取業者を利用する
花瓶は総合リサイクルショップなどでも取り扱っていますし、質屋で現金化することもできます。
しかしながら、特にブランドの花瓶や作家物などの価値の高い花瓶を買取に出すなら、骨董品専門の買取業者を利用することをおすすめします。
花瓶を適正に査定するためには、ブランドや作家、制作時期、作品の希少価値などを正しく見極められなければなりません。
ところが、骨董品を専門としないリサイクルショップや質屋などでは、骨董品の専門知識を持った鑑定士が店舗にいるかどうかは疑問です。
お持ちの花瓶の適正な価値を見極めて貰えず、思わぬ損をしてしまう可能性があります。
骨董品専門の買取業者であれば、高い専門知識を持った査定員が在籍しているはずです。
大切な花瓶を安心して買取に出したいなら、骨董品専門の買取業者を利用するのがおすすめです。
出張買取サービスを利用する
出張買取とは、買取業者の査定員が利用者の自宅等まで来て査定・買取してくれるサービスのことで、骨董品専門の大手買取業者が行っていることが多いです。
花瓶は割れやすい素材でできている物が多く、買取店の店頭まで運んだり、買取業者まで送ったりする間に割れたり傷がついたりするリスクがあります。
そこで花瓶の買取では、利用者の自宅等で査定してくれる出張買取がおすすめです。
また、買取業者の査定員は主に以下のような観点によって花瓶の買取価格を算出します。
・ブランドや作家名
・作品名
・サイズ
・購入時期
・保存状態
・付属品の有無
・希少性の高低
・装飾の有無(金箔など)
これらの情報が記された保証書などがある場合は、査定員に提示してあげることで、より適正な査定につながるでしょう。
買取業者の上手な選び方

花瓶を買取に出すなら、骨董品に関する専門性を持っており、出張買取サービスを提供している買取業者を利用するのがおすすめでした。
ここではその2点の他に、「このような買取業者ならおすすめできる」というポイントをご紹介します。
買取実績が豊富
買取実績が豊富な買取業者は、大切な花瓶を安心して任せられる業者である可能性が高いです。
買取実績が豊富ということは、それだけ多くの人が利用しているということですし、査定員などの人材がそれだけ豊富に在籍しているということでしょう。
多くの人から選ばれているというのは、査定依頼をするうえで、やはり大きな安心材料になります。
また、日本全国を出張買取の対象地域としているような買取業者も、広い範囲の人々から選ばれ、全国展開できるほど人材が豊富だと考えられます。
同様の観点から、安心して利用できる業者である可能性は高いでしょう。
各種手数料が無料
買取サービスにまつわる手数料として、査定料・キャンセル料・出張買取の出張費などがあります。
少しでも高く花瓶を売るために保存状態に注意し、付属品を揃えたとしても、手数料がかかってしまったのでは実質的な買取価格は目減りしてしまいますよね。
また、「試しに査定だけ」と思っても、いちいち査定料やキャンセル料がかかるのでは気軽に依頼することはできません。
お持ちの花瓶を安心して買取に出したいと考えるなら、買取に関する手数料を無料にしている買取業者を選ぶのがおすすめです。
査定対象品目が多い
花瓶の代表的な素材である陶磁器やガラスは、食器や茶器などにも多く用いられる素材です。
また、日本家屋では、花瓶は掛け軸とセットで床の間に飾られるのが定番です。
そこで、花瓶をより多角的な視点で査定するためには、洋食器・ガラス工芸などの西洋美術、和食器・茶器などの陶磁器、掛け軸といった幅広い骨董品の専門知識を持っていることが要求されます。
骨董品の査定対象品目が多い買取業者なら、そういった周辺分野の専門知識も持っていると考えられるため、花瓶の買取においても信頼度が増します。
「有名食器ブランドの人気シリーズから派生した花瓶だ」「茶器の有名作家が作った花瓶だ」「有名な掛け軸とセットで飾られていた花瓶だ」など、花瓶単体で見ていては分からないポイントも見抜いてくれるでしょう。
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