
マイセンとは、高級食器の最高峰と名高いドイツのブランドです。 「結婚式の引き出物で頂いたまま使っていない」「高級食器を使う機会が少ない」といった方もいらっしゃるでしょう。
マイセンの買取を検討しているけれど、どのような方法で買取をしたらいいか知らない方も多いと思います。 今回はマイセンのおすすめの買取方法、買取相場、高く買い取ってもらう方法をご紹介します。
目次
高級食器ブランドのマイセンとは?

マイセンはドイツにあるマイセン地方が由来で、高級食器の代表格である西洋白磁のブランドです。 マイセンのシンボルは2本の剣が交差する窯印(かまじるし)の「双剣マーク」が有名です。
マイセンの磁器食器のルーツ
磁器のルーツは紀元前にあった中国の青磁製品にまで遡ります。 東洋磁器の美しさは13~17世紀の西洋の人々を虜にし、こぞって開発をするようになります。
当時の西洋の君主らは東洋磁器を大枚をはたいて取り寄せることで、自らの威信を誇示するほど東洋磁器がもてはやされていました。
ポーランド王・アウグスト2世はヨハン・フリードリッヒ・ベトガーを拉致して、白磁の研究と製造をするように命じます。 当時、弱冠19歳だったベトガーは長い歳月をかけて製造方法を確立し、1708年に磁器に近いものを作り上げました。
さらに、1709年には白磁製法を解明し、1710年になって西洋初の硬質磁器窯「マイセン」を完成させました。
中国の磁器以外に日本の有田焼にも惹かれていたアウグスト2世は、ベトガーに有田焼を手本に絵付けの練習をさせて、マイセン工場の手描き技術を向上させたと言われています。
マイセンの食器の特徴
マイセンといえば「双剣マーク」の窯印が特徴です。 1722年にアウグスト2世は自身の紋章を、マイセンの窯印として使用を認めました。
この窯印は当時シュベルトラーと呼ばれる専門絵付師だけが描くことができ、窯印は年代ごとに違うので制作年を判断するのに貴重な手掛かりとなりました。
マイセンの食器はドイツにて磁土を掘り起こし、成型、絵付、完成までの工程を熟練した職人が手作業で行い、さらにマイスターが厳しくチェックをしています。 カオリン(陶磁器の原料である粘土)でできた輝くような食器の質感は、精緻な手作業によって出来上がります。
さらに、マイセンの食器は300年ほどの歴史がある芸術様式(バロック、ロココ、ビーダーマイヤー、アールヌーボー、アールデコ調)を網羅しており、芸術品としても成立しそうなくらいの品質です。 初めてペトガーがマイセンを完成させた1710年頃から現在まで、作られた食器の総数は23万種類にも上ります。
マイセンの人気シリーズと買取相場

マイセンの人気シリーズは、「ブルーオニオン」「インドの花」「ドイツの花」「ドラゴン」「波の戯れ」「猿の楽隊」などがあり、アンティーク価値があるとして高い評価を得ています。
マイセンの食器はフルセットや単品でも高額買取が期待できます。 ここでは、マイセンの人気シリーズの一部とその買取相場をご紹介します。
ブルーオニオン・ティーセット
ブルーオニオンはブルーを基調とした玉ねぎ、果実、竹が描かれているマイセンの定番シリーズです。 1739年、絵付師のヘロルトが指揮を執ってデザインしました。
白磁には東洋で縁起物だとされていた桃、菊、竹、ザクロが描かれましたが、当時の西洋では認知度が低かったザクロが玉ねぎだと勘違いされた説があります。
ブルーオニオンの種類はカップ&ソーサー、プレート、ポット、クリーマーがあります。 買取金額は、ブルーオニオンの27点セットが10万円ほどで、ケーキプレートが1万円で買い取られた例があります。
買取相場はブルーオニオンセットは全て揃っていて保存状態がきれいであれば、数十万円が期待できます。
ブルーオニオンはマイセンを代表する定番商品なので、中古市場での人気も安定しており、買取金額は高めに設定される傾向があります。
サマーナイトドリーム
サマーナイトドリームはマイセンの中では比較的購入しやすい価格帯です。 サマーナイトドリームはシェイクスピアの名作「真夏の夜の夢」を題材にしたマイセンのシリーズで、プラチナや金をふんだんに使った華麗な絵付けが特徴です。
サマーナイトドリームの種類は、カップ&ソーサー、プレート、ポット、陶板画などがあります。 サマーナイトドリームはマイセンの中でも買取相場が非常に高いです。
一例を挙げますとカップ&ソーサー、プレート1枚、ポットなどは、単体でもセットでも数万円から数十万円で買い取ってもらえる可能性があります。
買取金額は目立った傷はなく状態がきれいなプレート1枚が1万円ほど、18cmのプレートが3万円ほどで、カップ&ソーサー・プレート6客セットは27万円という高額で買い取られたケースもあります。
インドの鳥
マイセンは白磁食器が完成した当時は、東洋の白磁食器への憧れを反映させたデザインが多く、それらは「シノワズリ」と呼ばれていました。
シノワズリとは東洋趣味をモチーフにしたもので、インドの花もその一つです。 マイセンのインドの鳥は、シノワズリを色濃く反映したデザインで、別名「インディアンフラワーバード」とも呼ばれています。
インドの鳥は、作られた年代によって違うカラフルな色彩が特徴で、種類はカップ&ソーサー、プレート、ティーポットなどがあります。 買取相場は年代によって差がありますが、数千円から数万円とされています。
買取金額は使用感が少なくてきれいな状態のカップ&ソーサー1万円ほど、そうでない場合は8,000円ほどで買い取られたケースがあります。
不要なマイセンがあれば買取に出そう

マイセンは高級食器なので、処分方法に慎重になると思います。 寄付という手段もありますが、途上国への送料や団体の活動資金など費用がかかるので、あまりおすすめはできません。
せっかく大切なマイセンを手放すのであれば「現金化できる買取に出す」という方法はいかがでしょうか。
買取方法はいくつかありますので、それぞれの特徴をご紹介します。 買取方法は以下の通りです。
・ネットオークションを利用する
・高級食器の買取実績がある業者に査定をしてもらう
ネットオークションを利用する
マイセンはネットオークションで売却ができます。 ただし、高級食器をネットオークションで出品するときは懸念点があります。
ネットオークションには本物と見分けが付かないくらいの偽物が多く出回っています。 例えば、マイセンに似せて成型から絵付けまでをした模倣品や、古くに西洋の絵付け師がマイセンの白磁を購入して、その上から自分で描いたものなどが存在します。
マイセンの正規店で購入したのであれば本物ですが、頂き物や自分でネットオークションで購入したのであれば偽物の可能性も捨てきれません。
本物だと思ってネットオークションに売却して、落札者が何かをきっかけに偽物だと分かったら出品者にクレームが来る恐れがあります。 ネットオークションは個人売買なのでトラブルがあったときは自己責任になってしまいます。
ですから、「本物かどうかわからない」「トラブルが心配」という方には、ネットオークションはおすすめできないでしょう。
高級食器の買取実績がある業者に査定をしてもらう
マイセンは高級食器の買取実績のある業者に査定をしてもらう方法もあります。 高級食器は真贋の見極めやブランドの知識が豊富な業者に査定をしてもらうことをおすすめします。
マイセンはブランドの価値を見極める特徴的な部分があります。 マイセンは年代ごとに双剣マーク、ブランド名のデザイン、付けられている記号の刻印が異なります。
古い年代の食器は中国をモチーフにしたマークもあり、多様な種類があります。 手描きの剣マークに加えてスタンプが使用されるまでは、コバルトブルーの下絵で手描きされています。
査定員はこのような特徴的な部分の査定と、「保存状態が良いか」「付属品はあるか」「希少性はあるか」を合わせて、マイセンの適切な価値を見極めます。 自宅に眠っているマイセンがあって、手放す方法でお悩みでしたら高級食器の買取実績がある業者に託しましょう。
食器の買取で気を付けるべきポイント

食器は種類によって、買取できないものも存在するので注意する必要があります。 買取できない業者が多い食器の状態は以下の通りです。
・ノーブランド(またはブランド品であっても無名なもの)
・スーパーや量販店で購入したもの
次に買取は可能ですが、金額の付かない可能性があるものは以下の通りです。
・ブランド刻印が擦り切れて確認できない
・個人名のプリントや刻印がされている
・かなり使用感があるもの(摩耗、変形、変色、剥げ)
・目立つキズや汚れのあるもの(欠け、ヒビ、シミ)
・本来の用途で使えないほど壊れているもの
ノーブランドの食器は状態に関わらず買取が難しく、個人名やイニシャルが入っている場合も、買取してもらえない可能性が高いです。
そのうえ、量販店やスーパーで大量に出回っているものや、新品の販売価格が非常に安価なものも買取が難しい傾向があります。 これらは買取業者が中古市場で需要がないため再販が難しいためです。
マイセンの食器を高く売る方法

マイセンを高く売る方法を知っているか知らないかで、買取金額に影響が出る可能性があります。 ここでは、マイセンを少しでも高く売る方法をご紹介します。
きれいに保管をしておく
マイセンの新品や未使用品は高額買取になりやすいですが、中古品でも購入当時の状態に近づけることで査定金額アップが期待できます。
ブランド食器の保存状態は、査定金額を左右する重要なポイントです。 高級な食器には陶磁器の製法上、個体やロットによってはスタンプの滲み、突起、ザラつき、色飛び、黒点、線傷、濃淡が起こり得ます。
しかし、状態が悪い食器は使用による傷、ホコリ、洗っても落ちない汚れや水アカ、金彩部分や絵柄のスレ、ヒビ、欠けなど、長期保管による経年劣化が挙げられます。 査定に出す前には、マイセンの角度を変えながらじっくりと状態を確認しておきましょう。
食器に汚れがあったらウェットシートや中性洗剤を使うときれいに落ちます。 特に、アンティークの食器を洗うときは摩擦で傷つかないように注意します。
陶磁器を洗ったら水気を柔らかい布で優しく拭きましょう。 ティーポットやミルクジャグなどの深さのある食器を片付けるときは、キッチンペーパーを丸めて中に入れると、保管時の湿気を吸ってくれます。
さらに、カップ&ソーサーを片付けるときは、カップとソーサーの間にキッチンペーパーかティッシュを敷くと、滑りにくくなり傷が付くのも防げます。
セットものは付属品と揃えて売る
マイセンはセットのものは食器の種類が欠けないように一緒に保管をしておき、付属の箱もあれば一緒に査定に出しましょう。
結婚式の引き出物などでいただいた食器なら、そのままの状態で保管をしておくと査定前に慌てて準備をしないで済みます。
マイセンの食器はドイツ本社が認めた双剣マーク入りの箱に入っています。 一部の額装をしている陶板は、双剣マークのない専用の化粧箱に入っています。
高級食器は箱やブランドの案内書、食器セットになっているものをまとめて売ると、価値が高くなりやすいです。 査定前までは箱の変色を避けるために、直射日光の当たらない場所で保管をしておきましょう。
複数の業者で査定をしてもらってから決める
高級食器の買取金額は業者によって差があります。 アンティークの食器は、ブランド食器や骨董品の査定ができる業者とできない業者とでは、買取金額に何万円も差が出てしまう恐れがあります。
ですから、高級食器の買取実績がある複数の業者だけに無料査定をしてもらいましょう。 買取金額やサービスの質を比較して一番良さそうな業者を選ぶと失敗しません。
マイセンは買取相場が高い品物が多いので、手間をかけてでも複数の業者に査定をしてもらいましょう。
マイセンの買取なら専門の買取業者で査定がおすすめ

マイセンは西洋白磁を代表するドイツの食器ブランドです。 日本人にも人気なので、定番商品であるブルーオニオンを持っている方もいらっしゃるでしょう。
マイセンは高級食器なので人気があるブルーオニオン、サマーナイトドリームを含む、どの商品も買取相場は高めです。 ただし、食器の保存状態や、複数の食器がセットであるかどうかも買取金額に大きく影響するので、事前にチェックしておきましょう。
高級食器は知識がないと真贋の見極めや価値を判断することが難しいです。 ですから、マイセンを高く売るには、高級食器の買取実績がある複数の買取業者に査定をしてもらってから、1社に絞ることをおすすめします。